この魚の泳ぎ方は変わっている。頭を上にして上下運動をしている。“立魚”と言う名前がこの静止状態から来ているのだろう。だが、この魚が捕れる深さは40メートルから150メートル。この深さで泳いでいる状態を先人たちはどうやって認識したのだろうか。疑問である。
もうひとつの説がある。その形が太刀に似ていることから“太刀魚”というもの。1930年頃発刊の故田中茂穂先生(魚類額の基礎づけをなされた)の原色日本魚類図鑑には“太刀魚”とある。その図鑑には「関東では食べず」とある。関西より移行した食文化のだが、世界的に賞味されている魚である。刺し身、塩焼き、バター焼きなどで美味。 日頃は立ち泳ぎをしているが、餌を追う時は水平に泳ぎ、小魚を追う姿は非常に素早い。このような生態が見られるようになったのは約30年前。『大分生態水族館』が初めてである。
大きさによって一日の行動パターンが異なる。小型のものは、日中海底近くで生活し、夜間は中層を泳ぎ回る。大型のものは、それと全く逆の行動をする。
写真の太刀は長さ1.8M胴周り40センチ 重さ 3.5キロと巨大なものである。恐らくしばらくはつれないでしょう。